360度パノラマ写真の撮影方法【一眼レフカメラを使用する場合】
一眼レフカメラでパノラマ撮影を行う方法についての説明です。
この方法は、360度カメラと比べて手間がかかりますが「高画質なパノラマ写真を作れる」「写りこんだ三脚をきれいに消すことができる」という特徴があります。
機材をそろえたり、コツをつかむのが大変と思われるかもしれませんが、その分、高品質なものを作れるというメリットがあります。
ご自身の目的に合わせて撮影方法を選択してみてください♪
これらについて説明していきます。
少し長いですがお付き合いください。
撮影に必要なもの
以下のものが必要になります。
- 一眼レフカメラ
- 魚眼レンズ(円周魚眼 または 対角魚眼)
- パノラマ雲台
- 三脚
私が使用しているものは、これらの中でも安い方のものです。
それでもパノラマ画像は作れているので、必要最低限の機能を有していれば、そこまで高価なものである必要はないと思います。
撮影手順
一眼レフカメラでパノラマ撮影を行う場合は、事前に「ノーダルポイント」の設定が必要になります。
ノーダルポイントの設定方法についてはノーダルポイントとは?【パノラマ撮影のために必要な、ノーダルポイントの調整方法についての説明です】をご覧ください。
1、カメラの設定
今回は以下の設定で撮影を行いました。
基本はノーダルポイントを設定した時と同じ設定です。
- レンズは無限遠(∞)に設定。
- 撮影モードはマニュアル(M)に設定。
- 手ぶれ補正機能はオフに(三脚撮影時に手ぶれ補正機能をオンにしていると逆にブレることがあります)
- 絞り値(F値)は、F8。
- 明るさに関する設定は、Autoモードにしないでください。一連の写真の明るさを揃える必要があります。シャッタースピードで調整するようにしてください。
- 画像サイズはM、画質はFINE(JPEGの高画質)にしています。
2、三脚・パノラマ雲台・カメラを組み立てる
パノラマ雲台とカメラの重量を合計するとそこそこ重たいです。
倒れないようにしっかりと三脚で固定してください。
また、それぞれの接続部にゆるみがないことを確認してください。
3、撮影
パノラマ雲台を水平方向に360度回転させながら撮影を行います。
この際、雲台やカメラの重みで水準器の水平がずれると思いますが、多少ならば仕上がりに問題ありません。
360度が移っているため、後からの編集で修正できます。
ある程度の水平が保たれていれば大丈夫です。
カメラのシャッターは必ず遠隔操作で切るようにしてください。ブレ防止のためです。
360度を撮影するわけですが、撮影方法にはいくつかのパターンがあります。
大まかに次の通りです。
- 水平360度 + 真上 + 真下 + 真下(三脚をずらして)
- 斜め上45度で360度 + 斜め下45度で360度 + 真下 + 真下(三脚をずらして)
水平360度 + 真上 + 真下 + 真下(三脚をずらして)
斜め上45度で360度 + 斜め下45度で360度 + 真下 + 真下(三脚をずらして)
今回は「斜め上45度で360度 + 斜め下45度で360度 + 真下 + 真下(三脚をずらして)」の方法で計14枚の写真を撮影しました。
水平方向の撮影角度は「60度 × 6ショット」で360度です。
もっと画角の広いレンズをお使いの場合は「90度 × 4ショット」とかでもいいと思います。
隣り合う写真同士に共通して写っている部分を繋ぎ合わせて一枚のパノラマ画像に仕上げます。写真同士の重なりを意識して撮影してください。
三脚をずらして真下を撮影するのは、三脚消しに必要なためです。三脚の足の向きに注意して、重なりがない位置に動かしてください。
撮影はこれで完了です。この後、パノラマ作成ソフトを使用してパノラマ写真を作っていきます。